リザ・ホークアイと付き合う前のサイテー男ジャン・ハボック + ロイ・マスタング C  (Bの続き)







「あの滑らかな曲線は人類の宝だ。芸術的な美しさでありながら、艶かしい。それがわからんとは、ん?あそこにいるはジャスミンとミカエラじゃないか」
手、ふりふり
「あれ、左の子、最近駅前にできた酒屋の娘さんですよね。お店にいたりいなかったりする」
「ああ。ミカエラは昼間しか店に出ないからな。夜にあの年頃の娘を店に出さないのは親として当然だろう」
「そうですねえ」




「彼女の足もいいが、やはりさっきの女性にはかなわんな」
「うーん、顔は娘さん、えっとミカエラ?の方が好みですがね」
「ほう、お前にボイン以外に女の好みがあったのか」
「そりゃありますよ」
「しかしどうせ最終的な基準は胸だろう」
「まあそうですけど、大佐だってメシ食うだけならともかく、寝る相手は足が決め手なんじゃねえんすか?」



「そのくらいの選別の基準を持たなければ私の身がもたん」
「うわー言い切ったよこの人」
「事実だからな」
「…何だろうこの腹から湧き上がるもの。もしかして殺意?」
「はっはっは。私が羨ましいかね、妬ましいかね」
「大佐、ちょっとアンタ刺してもいいですか?」
「世の女性が嘆くから却下だ」
「大佐の太ももフェチ!膝枕ドリーマー!枯れてしまえ!」



「膝枕ドリーマーって何も膝枕だけが足の価値じゃないぞ」
「男の敵め……他にも?」
「ゆっくり観賞するのもいい」
「え、見るだけなんすか」
「素足もいいが、ストッキングによるあの濃淡」
「……」
「細く締まった所は色濃く、太く張りのある所は薄く」
「…あー、イイかも」
「だろう!」



「あ、大佐。太ももウォッチングはいいとして、そろそろ戻らねーと中尉に言われた時間に間に合わねっす」
「む。それはいかん。戻るぞ」
「へい」



「今日のおやつは何だ?」
「ファルマンが大通りの方に行く予定があるってんで、中尉がミルキーウェイのオレンジピールマフィン頼んでましたよ」
「ああ、ナタリーの!あれは美味い」
「何でアンタは店じゃなくて女の名前で覚えてんのよ…」
「ハボック、私はロイ・マスタングだぞ?」
「アンタも結構サイテーだと思うんですがねえ」
「ふふん。負け惜しみにしか聞こえんな」
「も、何でもいいっすから帰ってマフィン食いましょ」
「うん。マフィンだ」